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概要

chiisanamachi

10が96年のマスタ-プランに沿って町並みのみに選定地を限定したのである。事態は最悪だった。このころ松居秀子さんが代表を務める「鞆の浦 海の子」が全国町並み保存連盟に加入した。それ以後、伊東孝日大教授、八木雅夫明石高専助教授、西村幸夫東大教授らが相次いで鞆を訪れるようになる。そして日大伊東研究室は港湾施設の実測調査、東大都市デザイン研究室は綿密な調査を踏まえた鞆再生への提案※4を発表する。同時に「鞆の浦を世界遺産に」の市民活動も開始され、世界文化遺産財団からも視察※5を受け、2001年には日本で初めてのワ-ルド・モニュメント・ウォッチ(WMW)に選定されるのである。※4 2000年から2001年にわたり7度の現地調査を行い「小さな改善の積み重ね」により鞆の再生を提案している。(文献①③④)※5 WMW選定後の2002年5月28、29日に世界文化遺産財団の上級副代表ヘンリー・ング氏(48)とプログラム部門副代表ジョン・スタッブス氏(52)が来鞆した。両氏は「財団は民間の非営利団体で1964年から78か国で歴史的遺産の保全に向けた活動をしてきた。その中で見てきた欧州やアジアの港町の中でも、鞆は特別。水辺と陸の関係がしっかり残っている。通常は自然、歴史的建造物、コミュニティのどれかだけ残っているが、鞆はすべてが一体となって残っている点が素晴らしい」と語っている。今に残る雁木