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概要

chiisanamachi

104甘楽は「かんら」と読む。群馬県甘楽郡甘楽町は、県の南西に位置する人□ 1万5千人の小さな町である。「続日本紀」和銅4年(711)3月6日条に「甘良郡」と記されている。「和名抄」では「加牟良」と記されている。古代、この地方には渡来人が多く住み、朝鮮半島南部から来た人々が多いと推定されている。そのため「から」の名が使われ、「かんら」と呼ばれるようになったと考えられている。「甘楽」「甘良」は、「から」が転訛(てんか)したものだという※1。甘楽を知ったのは、つい最近のことである。行くまで、いや実際は連れていってもらったのだが、その時まで甘楽という場所も地名も知らなかった。なぜ甘楽に行くことになったのか、まずそこから話をはじめよう。伊藤光造さん※2からの電話が、その発■Chapter 9甘楽かんら(群馬県)土の匂いと人の温もりが漂うまち※1 『群馬県の地名』日本歴史地名体系10巻1987平凡社『角川日本地名大辞典』10群馬県1988角川書店※2 伊藤光造(いとう・こうぞう)さんは(株)地域まちづくり研究所所長。伊藤さんと私は、伊藤さんが静岡に帰られ独立される前=計画技術研究所におられた時=私が筑波にいた昭和53年(1978)、伊藤さんがチーフとしてまとめられた「茨城県日立港市街地整備計画」のお手伝いをした時からの旧知である。