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概要

chiisanamachi

108経るごとに大きくなってきて、最近では夜な夜な枕元に葬られた火の見櫓が現われてくるんだと告白された。火の見櫓の立つ風景は、豊かさのバロメーターなんだと寺崎さんは語る。火の見櫓を近代化生活遺産として位置づけ、次の世代に引き継いでいかなければならないこととして大きな警鐘を鳴らしたいと思っている。「半鐘は地域連帯、共同意識、自治の原点であり、火災や水害だけでなくすべての警鐘に半鐘を鳴らした。警報、情報、通報を誰もが耳をすまして聞き分け判断しなければならなかった時代というのは、素敵じゃないですか。地域の財産に価値観を見出すことが、これから求められている。時間はかかるけれど精神風土づくりが21世紀に求められていることなんです」とトツトツと語ってくださった。その日、寺崎さんは午後0時から3時まで別の予定が入っていて、 3時間、私―人で行動することになっていた。そこで案内されたのが甘楽だった。●水路が城下町の基盤甘楽は城下町としての小幡がその中心地である。元和元年(1615)7月、織田信長の二男信雄に大国宇陀郡3万石・上州小幡2万石が与えられ、翌年に信雄の子信良が御殿に入り、織田氏による小幡支配が開始された。8代信邦の時に明和3年(1766)、藩政立て直しをめぐって重臣間で内紛があり、翌4