ブックタイトルchiisanamachi

概要

chiisanamachi

113ち止まり、連れの私を「私の孫だよ」とほんとうらしく話すおばあさん。聞いた方も「ほう、大きくなって」と言う。なんとも愉l快で楽しいひとときであった。思いがけない出会いがあるから旅はおもしろい。3時間のひとり旅は、何かあたたかいものが心に残るものとなった。孫として道すがら紹介されたことを寺崎さんに話すと「それはよかった!」とたいそう喜ばれた。●神の民としての誇りをもつ「ちぃじがきの里」再び車で案内された場所は、雄川の上流にあるちぃじがき蕎麦の館「那須庵」である。甘楽町の最南端にある秋畑那須地区は、稲含山(1370m)の山麓に位置する105戸の集落である。集落の歴史は古く、古来から祭礼に奉納されてきた獅子舞、神楽が無形民俗文化財として引き継がれており、伝統「ちぃじがき」と呼ばれる石垣。かたちも見た目も不ぞろいだが、小さい石ころが丹念に積みあげられており、石一つひとつに表情があるように感じられる。