ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

chiisanamachi

194アレックス・カ-※1氏が平成5年に著した『美しき日本の残像』※2の中で関西七番巡りの第五番に、いろいろな問題は抱えていながら元気さと人間らしさを感じる場所として大阪の釜ヶ崎※3をあげている。叫んだり、わめいたり、泣いたり、感情をむき出しにした人々がうごめき、泥臭いエネルギ-が釜ヶ崎にはあふれている。その東の一角が飛田である。■Chapter 20飛とび田た(大阪市)都市形成の過程における近代の所産<コラム> Alex Kerr ※1 1952年アメリカ生まれ。1964年初来日し横浜に住む。エ-ル大学で日本学専攻、オクスフォ-ド大学で中国学を専攻する。73年から徳島県祖谷で民家再生の活動を始める一方、京都で日本伝統芸術を紹介するセミナ-の運営に携わり、アメリカ最大の不動産開発会社のトラメル・クロ-社で美術コレクション顧問を務めた。美術、通訳、文化コンサルタント、執筆など多方面で活躍。近著に『犬と鬼-知られざる日本の肖像-』2002年4月講談社がある。京都府亀岡市在住。※2 1994年第七回新潮文芸賞を受賞。『LOST JAPAN』として数カ国に翻訳される。単行本は93年7月新潮社より刊行、2000年10月朝日文庫として再版されている。※3 釜ヶ崎は、西成郡今宮村の小字名だったが、大正11年(1922)町名変更により行政単位としてはなくなった。現在、西成区の花園北1・2丁目、萩之茶屋1・2・3丁目、太子1・2丁目、天下茶屋北1丁目、山王1・2・3丁目の11町、約62haの地域。この狭い地域に約3万人と推定される人が特定の住居を持たず生活している。