ブックタイトルchiisanamachi

概要

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20合併、地方への権限委譲など社会・経済の問題が鞆の浦に凝縮されているということですか。Ｔ 国から地方への流れは基本的には望ましいと考えます。そして、その流れは今後ますます促進されてくると思いますが、今の県や市町村に国以上の地域を見る眼があるかというと、疑問を感じる節がしばしばあります。Ｓ 鞆港問題がその例なんですか。Ｔ そうです。国は鞆港の埋め立て・架橋計画に対してYESとは考えていないと思います。あからさまにNOとは言っていませんが、100％同意が必要と言ったり、全国町並みゼミを後援したりということから、現在の鞆の浦を歴史的にもこれからも評価していく姿勢が伺えます。しかし広島県と福山市は、あくまでも計画実現に固執しています。大局的な流れが見えていないのではないかと懸念されます。Ｓ それは私も感じます。地域の発展や活性化が公共事業で確実に行なえるという自負と自信があるんだと思います。しかし、道路や橋を造るという公共事業だけでは、地域の活性化は無理だということを認識する必要があるということですね。Ｔ そうです。地域の発展をめざして行われてきた開発事業が、結果的にまちの個性を失わせてきたと思います。鞆のまちの個性を失わせないために、今何をすべきか、何が必要かを考えるべき時なんです。Ｓ まさにそうだと思います。行政は一度計画決定したことを「やめる」ことはなかなかしません。議会