ブックタイトルchiisanamachi

概要

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204●「市民的価値」に高められなかった運動2002年6月が旧井桁屋の命運を決する分岐点だった。信望厚い元県立高校校長が「コンクリ－トの塊は美に値しない」とする意見を地元新聞に発表する(6.1) ※5。市は「保存を条件にしない」という条件で寄付を受け入れる(6.18)。その後の動きは次ページの＜年表＞の通り、取り壊しが決定される(2003.6.10)。最初に結論ありきの行政の姿勢を変えることはできなかった。歴史的建築物の保存･活用は所有者の意思がまず必要だが、西尾市にはその意思は一切なかった。所有者の気持ちを変えさせるには、決してあきらめない、ねばり強い活動が不可欠である。行政が相手なら広く市民を盛り上げ市民の総意をつくりあげていくことが求められる。旧井桁屋の建築的価値よりも「市民的価値」がより重要だったはずだ。旧井桁屋が建築として輝いていた時期は、昭?解体撤去された旧井桁屋跡地。2006.6※5 参考文献③、これに対する反論が④。