ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

chiisanamachi

34現出していることを理解している人たちの集まりであった。時代を見据えた壮大なロマンをもった人たちの集まりであったような気がする。楽しいサロンのように談笑したり、あるいは討論会のように激論したりする場所に居合わせたことの体験は、私にとって大きな電磁波となって、その後の生き方、考え方を刺激した。●集落は何を語るか日本土人会は例会と調査研究が並行して進められていた。そしてその成果を『SD』誌にまとめることになり、その協力をすることになったのである。『SD』1978年2月号の特集は、集落は何を語るか―現代への展開を求めて―である。稗田・塩津浦・西陣・富田林・五個荘・高山・倉敷、歴史的環境をもつ7つの集落が分析・考察されている。図版中フリ-ハンドの絵と手書きの文字はほとんど私が描いたものである。と言っても、齊木先生がすでに描かれた原図を特集用にトレ-スしただけなのだが。7集落のうち西陣・高山・倉敷は行ったことはあったが、稗田・塩津浦・五個荘は初めて聞く地名だった。1978年1月に『SD』が発行され、2ヵ月後に五個荘はじめ稗田、大和郡山、今井町、富田林をめぐる旅に出かけた。机上で描いた図版を追体験する旅となり、集落の特徴をすばやく把握する修練ともなった。筑波地方の農村集落の調査をはじめていたころで、日本の伝統的な集住形態をもつ集落