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概要

chiisanamachi

46と私は主張した。問題とか対策とかという語が先にくるのではなく、どういうまちの将来やあり方が必要なのか、というポリシ-がまず大切なのではないかと力説した。この名称には反対です、とはっきり言った。日野さんは、まだ歩きはじめたばかりのヒヨっコの言うことをどう受け取ったのだろうか。果たして、次の日、会の名称を決めたよ、と私に言ってきた。それが「人間居住社会研究会」だった。正直、スゴイ!と思った。名は体を表わすというが、“人間居住社会”の6文字に、これから進めていくべき針路が凝縮されていると思った。「環境」ではなく「社会」と宣言していることに、私はうなった。モノや都市や車ではなく、まず人間が幸せに生きていくためにどのような社会がふさわしいのか、みんなで考えてみようではないか、と呼びかけているように感じた。建築や街や村、都市計画のあり方などハ-ドだけにとどまることなく、制度やしくみ、住民と行政の関係のあり方など総合的な視点の必要性を「社会」という語で締めていることによって適確に言い表わしていると思った。すごく気に入ってしまった。・土曜日の午後研究会は月1回のペ-スで、昭和54年9月ころからはじまったように記憶している。当時はまだ週休2日ではなく、土曜日の午前中まで仕事がしっかりあった。研究会は土曜日の午後と決まっていた。静岡市東草深の県の職員会館(現在、静岡市女性会館)の会議室に三々五々、研究会の