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概要

chiisanamachi

75は、「合併しない宣言」をした自治体※4もあれば、「小規模がなぜ悪い」と主張する自治体の首長※5もいる。平成の大合併の一番大きな目的は、厳しい財政予測を克服するために、補助金の廃止・縮減、権限移譲、交付税削減の三位一体の改革を推し進め、同時に地域の自立を促し地方分権を進めていこうとするものである。合併は異質なものの結合である。これはどの市町村合併にもいえることである。明治の大合併、昭和の大合併を経て、新しくとも半世紀近い歴史をもつすべての自治体はみんな成熟しているといえる。成熟した市町村は、まちの歴史も社会風土も人の気質もそれぞれの特徴をもつ。市町村にはそのまち固有の履歴があり、個性がある。異質なものが結合し一体の組織になれば、摩擦や軋轢や硬化や不通が予測される。生きている生命体同士が結合し、血液がうまく循環していくかど※4 福島県矢祭町議会が「市町村合併をしない矢祭町宣言」を決議した。矢祭町(やまつりまち)は人口7,007人:H14.10.1※5 長野県下伊那郡泰阜村の松島貞治村長は、「朝日新聞」私の視点欄に2度投稿している。『自治体 小規模ではいけないの?』2002.10.12『再度問う、小規模なぜ悪い』2003.9.18泰阜(やすおか)村は人口2,200人、うち65歳以上38%という小さな村。関連して、長野県の田中康夫知事は2003年5月26日の記者会見で市町村合併について「県は、合併しないで各市町村が 『自律』していくことが望ましいとする考えを示している」と述べ、合併に進む市町村に対しては「市民の理解を求めたか、ということがより厳しく審査される」との考えを示した。同知事が県内の市町村に対して「合併しないことが望ましい」とはっきり踏み込んだのは、このときが初めてである。