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80■Chapter 7筑波つくば（茨城県）家康が宅地開発した山岳都市●富士山と筑波山富士山は日本一の山である。姿・かたち・美しさ、すべてについてどんな山も富士山には及ばない。3,776ｍは日本最高峰である。筑波山は、876ｍしかない低い山だが、広い関東平野にそびえる単独峰であるため、ひときわ存在感のある山として認識されてきた。筑波山と富士山は、古くから並び称されてきた。和銅6年（713）5月、元明天皇が全国に命じて編修したとされる風土記※1の一つ、「常陸風土記」において２つの山の比較が著わされている。その中に次のような興味深い伝説の記述がある。「昔、祖先の神様が、あちこちの神様を訪ねてお歩きになった時、静岡の富士山にお着きになると■Chapter 7筑波つくば（茨城県）家康が宅地開発した山岳都市※1 風土記が今日にまとまって遺存するものは、「常陸風土記」「播磨風土記」「出雲風土記」「肥前風土記」「豊後風土記」の5風土記に過ぎない。その中でも常陸風土記は最古のものであると言われている。